道徳授業を変える

漫言放語 №56

「小さな道徳授業」への期待

SDK代表 鈴木健二

 大学院で「道徳教育の理論と実践」という授業を担当している。

 第3回目のテーマは、


「道徳教育を学級経営に生かす」


だった。

 道徳教育を学級経営に生かすための大きなポイントとなるのが「小さな道徳授業」である。ほとんどの大学院生にとって「小さな道徳授業」は初めて耳にする言葉である。そのような大学院生に「小さな道徳授業」の魅力を感じさせ、やってみたいと思わせることがこの授業の目的である。


「小さな道徳授業」の素材を発見する

 課題レポートに、次のような感想があった。


□大学に来るまでの道で車を走らせていると、多くのトラックを目にする。トラックの後ろには面白い言葉が書いてあるのだが、運転中にはなかなか写真に撮ることが難しい。トラックは「人の想い」も運んでいます。昨日、私が目にしたトラックにはこう書かれていた。1つ小さな道徳授業ができそうでわくわくした。


 初めて「小さな道徳授業」を知った大学院生でも、早速このように素材を探し始めている。「わくわくした」という言葉がとてもいい。わくわく感は人を強く動かすからである。このトラックに興味をもったのでインターネットで探してみると画像が見つかった。次の授業でこの写真を見せたときの表情が楽しみである。


「小さな道徳授業」を幼児教育に活用する

 次のようなレポートを書いていた大学院生もいた。


□道徳は小学校以降の学びであると思われがちだが、幼児教育・保育でも多面的・多角的に考える基礎は育む必要があり、小さな道徳授業は幼児の生活においても取り入れるべき活動である。朝の会などで小さな道徳授業をすれば、今日の予定などの「先生の話を聴いて終わり」ではなく、自分の考えをもち他者に伝えたり共有したりすることができるため、その積み重ねが小学校以降の主体的・対話的な学びや物事を多面的・多角的に考えることにつながっていくと考える。今回の「人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい」で幼児への発問だったら、「どうして人にしてもらいたいことをするの?どんな気持ちになる?」などの文章を理解できるような発問をしつつ、子どもの意見を引き出せる問いかけをしたいと思う。


 この大学院生は幼児教育を専攻しているのだが、縁がないと感じていた道徳教育が、「小さな道徳授業」を知ることによって、幼稚園や保育園でも活用できることに気づき、その可能性に期待感を高めている。

 「小さな道徳授業」に対する大学院生の新鮮な感覚が、今年もまた新たな可能性を感じさせてくれている。

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