道徳授業を変える

漫言放語 №46

自分の意見をもつ力を育てる

SDK代表 鈴木健二

 10月下旬、後期の大学院の授業が始まった。

 自己紹介で、ある大学院生が「精神的自立をテーマに研究しています」という話をした。

 このような話を聞くと、次々と疑問がわいてくる。

 「精神的自立とは何だろう?」

 「精神的自立を促すにはどうしたらいいのだろう?」

 「どのような教育活動が精神的自立につながるのだろう?」

 調べてみると、精神的自立とは「自分の行動を誰かの意志に委ねていない状態」であるという説明があった。さらに調べてみると、精神的に自立できているかどうかをチェックする5つのポイントを紹介しているホームページがあった。

 一番目に挙げられていたのが次のポイントである。


自分の意見を持っているか?


 

 自己紹介のおかげで、自分の意見をもつ力を育てることの重要性を改めて認識することになった。

 9月から10月にかけて、教育実習生も含め、かなりの数の授業を参観した。

 しかし、これでは「自分の意見をもつ力」は育たないだろうと感じる授業が大半だった。

 「主体的」という言葉を校内研究のキーワードにしている学校の授業も同様である。

 原因の一つは、挙手指名方式が授業の進め方の基本になっていることである。

 先日参観した道徳の研究授業でも、教師のどの発問に対して5~6名(せいぜい7~8名)の子どもしか挙手しなかった。答えやすい発問でも、多くの子どもは挙手しないのである。

 なぜこのような状況になってしまうのだろうか。それは、挙手指名方式で授業をしていると、次のような意識が子どもに芽生えるからである。


・挙手しなければ指名されないので、真剣に考えなくてもよい

・いつも挙手する子に任せておけばよい


 このような授業が毎時間行われているとしたら、自分の意見をもつ子どもが育つはずがない。

 冒頭で紹介した大学院生が、子どもの精神的自立をどのように促していこうとしているのかわからないが、日々の授業を改善することが土台になることに気づかなければ、よい成果は得られないように思う。


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開催予定

2022年12月10日(土)13:00~17:00第20回感性を磨くセミナー
2023年2月18日(土)13:00~17:00第21回感性を磨くセミナー
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